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(メストムック収録バージョン)
服部半蔵親子は出羽山中で修行中であった。ひとたび修行となると、半蔵は息子の真蔵に容赦しなかった。いつ、どこで朽ち果てるかもしれない忍の身ゆえに、生きている間に自分のもつ技のすべてを後継者に託す意味もあったのだろう。毎日朝早くから夜遅くまで修行は続けられた。半蔵の若き後継者も、尊敬する父親から全てを学びとろうと必死であったが、技量がまだついていかなかったため、いつも父親に対し劣等感を抱いていた。 |
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(ALLABOUT収録バージョン)
服部半蔵親子は出羽山中で修行中であった(※1)。ひとたび修行となると、半蔵は息子の真蔵(※2)に容赦しなかった。何時何処で朽ち果てるかもしれない忍びの身ゆえに、生きている間に自分の持つ技の全てを後継者に託す意味もあったのだろう。
(※1)伊賀忍群の本拠地から遠く離れたこの修行地は、半蔵の師匠夫婦が隠れ住んでいた地である。余談ではあるが、ガルフォードとアースクェイクもこの地で修行した。 |
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半蔵 こやつも知らぬのか‥ ! おぬしは! 天草 クク、クククク‥‥‥。我こそは天草が怨霊。さぁ暗黒神がおよびだ 半蔵 我が息子をかえせ!! 天草 こやつの体は すでに我が肉となり魂は死霊どもにくれてやったわ!お前も暗黒神の手下となるがよい。 半蔵 なればその身ごと我が爆炎でつつみこむ! 天草 あほうが!我が暗黒神に逆らうとは 半蔵 ‥‥‥息子よ‥‥。 |
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半蔵 天草が死霊に魂をうばわれるとは‥‥‥。あわれな息子よ。 だが、おまえ一人ゆかせはせぬ、わしもすぐにゆこうぞ。 伊賀忍 またれよ!半蔵どの。 貴殿は我が里において必要なおかた、どうかおもいとどまっていただきたい。 半蔵 ‥‥‥‥‥‥。 伊賀忍 おたのみ申す! 半蔵 あい分かった‥‥‥、一度は死んだる身、おぬしらにこの命あずけ申そう。 半蔵 精神に生じる炎魂をとき放てぃ! |