五行設定


▽気の力

『空手家でも自分の拳をブロックや瓦で叩くと拳が潰れるが、しかし同じ拳がそれを粉砕することができる。
 それは《気合い》の入った拳が可能にする技だ。そこに氣の初歩的なものが介する』
____________________________(ファンデーション2(秋恭摩/HJC) より)

 半蔵やガルフォード、他の忍達の扱う力は基本的に「気」とか「気合い」の類と同じである。
 人(やほかの生物)は皆、陰陽二気と五行五気の理からなる。
 現世の生き物の場合、基本的に陰陽二気はつりあっている。これが「陰」に偏れば魔の存在となり、「陽」に
偏れば聖となる(これは善悪とは関係ない。「つりあっている」ということがこの世のものである、という印であり、
「陰」「陽」かどちらかに偏ったものはこの世のものではない)。
 まれにこの世のモノでありながら、「陰」または「陽」に(僅かに)偏った気を持つものがいる。このような
モノは往々にして特殊な力を持っている。
 しかし五気の釣合は人それぞれである。火の強いものがあれば、木の強いものもある。そのような違いが、人の
個性などを生み出す。
 己のもっとも強い『気』を具現させるのが半蔵達の力のありようである。であるからして、半蔵の放つ火は、
基本的に火のように見えても火ではない。「気」が凝縮し、人の目に見えるようになった形が半蔵の場合、たま
たま「火」だっただけである。よって触っても火傷はしない。破壊力、または攻撃力を持つのは、半蔵がそれを
求めたときのみである。これはガルフォード達にしても同様である。


▽五行

 天地間の万物を組成する「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」の五つの元素。
 陰陽道でもよく扱われている。

◆木行
 緑の草木と成長するものの象徴。
 司るもの:肉体・髪の毛
  感情・笑い
  欲望・食欲
  方角・東
  季節・春
  徳 ・仁
 聖獣:青竜(鱗あるもの(地上にいるもの)の王)
 象徴色:青
 その他属するもの:色彩、稲妻、風など。
 力としての具現:稲妻使い、風使い、植物使い、色使い、鱗あるものを操る
 精神への作用(相手を明るい気持ちにさせる) 等

◆火行
 赤い炎(焔)とそのかたまりである太陽、また破壊の象徴。
 司るもの:肉体・体を動かすエネルギー(生命力)
  感情・怒り
  欲望・破壊欲
  方角・南
  季節・夏
  徳 ・礼
 聖獣:朱雀(すざく)(翼もつものの王)
 象徴色:朱
 その他属するもの:光など
 力としての具現:炎(焔)使い、熱使い、光使い、翼持つものを操る
 肉体への作用(生命力そのものの操作)
 精神への作用(相手を激昴させる) 等

◆土行
 大地や石、生み出すもの、覆い隠すものの象徴。
 土行は全てのはじまりでありおわりであり、全ての中心である。
 司るもの:肉体・肉、内臓
  感情・恐怖
  欲望・睡眠欲
  方角・中央
  季節・立秋前土用 
  徳 ・信
 聖獣:麒麟(きりん)(人を統べるもの)
   ※注 土行の聖獣は「黄龍」という説もあるが、ここでは麒麟とする。
 象徴色:黄
 その他属するもの:灰、養分、食物など
 力としての具現:土使い、おいしい料理を作る(笑)、高いカリスマ性
 肉体(特に人間)への作用(肉体を痛める)
 精神への作用(眠らせる) 等

◆金行
 結晶質の固体、金属、強さによって支えるものの象徴。
 司るもの:肉体・骨
  感情・冷静さ
  欲望・権力欲、金銭欲
      方角・西
  季節・秋
  徳 ・義
 聖獣:白虎(獣の王)
 象徴色:白
 その他属するもの:磁力など
 力としての具現:結晶(種類様々)使い、金属(種類様々)使い、
         磁力使い、獣を操る、
 精神への作用(鎮静) 等

◆水行
 海や河、とどまることなき流れの象徴。
 司るもの:肉体・血液
  感情・哀しみ
  欲望・性欲
  方角・北
  季節・冬
  徳 ・智
 聖獣:玄武(水に生きるものの王)
 象徴色:黒
 その他属するもの:冷気、雪、闇など
 力としての具現:水使い、氷(雪)使い、闇使い、水に生きるものを操る
 精神への作用(哀しませる) 等



◇五行相生

 木→火→土→金→水→木…の順で五行は円環をなす。すなわち、木は火を、火は土を、土は金を、金は水を、
水は木を…と相生じ合う。
 これは、木は燃えて火を生み、燃え尽きた火からは灰(土)が生じ、土の中から金属が現れ、金属の表面には
露(水)が浮かび、水の中から木が生えるという考えに基づいている。
 このため五気は己を生ずる気を吸収し、己が力に変えることができる。しかし自分の「器」を越える「気」を
受け入れることはできない。

◇五行相剋

 木→土→水→火→金→木…の順で、五気は打ち消し合う。木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に
……と剋することができる。
 これは、木は土を吸い取り、土は水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かして、金は木を切り倒し、それ
ぞれを消滅させることができるという考え方に基づく。
 これもまた、「気」と「気」のぶつかり合いにおいてのみ適用される。

 ちなみに、五行のそれぞれを相生の順に正五角形の頂点に配し、相克の順に線で結ぶと、五角形の中に正五芳星が
描かれる。(相生と相克は逆でも可)。


▽気の暴走

 五行五気に従っているので、「気」は人の存在と深く関わっている。
 木であれば、感情ならば笑い、肉体では髪の気、という具合いだ(そのため、身体的特徴を見れば、そのものが
秀でた「気」がわかる場合「も」、ある)。
 このため、余りに「木」の力を使いすぎると精神や肉体に悪影響が現れる。これが「暴走」である。
 「暴走」が起きやすいのは次のような場合である。

 一 『己の限界を越えた場合』
 二 『五気に関わる感情が激しすぎた場合』

 一はいうまでもないが、二は、五行の理に基づくがゆえのことである。
 一番分かりやすい火の場合だと、余りに激しい怒りを持った場合、力が制御しきれず、火気が暴走してしまう
ことがある、という具合いである。
 暴走してしまうと、暴走した気に従う悪影響が現れる。火の場合は一気に生命力が消費されて急速に老化したり、
理性を失い、ただ破壊を続けるだけのものになってしまったりする。他の気でも、このような感じの悪影響が現れる。


※注 それほど厳密に定めたものではない上に、これは書き手の勝手に定めた設定なので、
   深く受け取られぬようご注意申し上げます。

 私が「五行」の設定を取り入れたのは、「五気」が円をなすからである。
 剋しながらも、生み出し、続く流れが気に入った。
 ファンタジーでよく言われる「地水火風」は、壊すだけである。生み出さない。続かない。


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