半蔵やガルフォード、他の忍達の扱う力は基本的に「気」とか「気合い」の類と同じである。
人(やほかの生物)は皆、陰陽二気と五行五気の理からなる。
現世の生き物の場合、基本的に陰陽二気はつりあっている。これが「陰」に偏れば魔の存在となり、「陽」に
偏れば聖となる(これは善悪とは関係ない。「つりあっている」ということがこの世のものである、という印であり、
「陰」「陽」かどちらかに偏ったものはこの世のものではない)。
まれにこの世のモノでありながら、「陰」または「陽」に(僅かに)偏った気を持つものがいる。このような
モノは往々にして特殊な力を持っている。
しかし五気の釣合は人それぞれである。火の強いものがあれば、木の強いものもある。そのような違いが、人の
個性などを生み出す。
己のもっとも強い『気』を具現させるのが半蔵達の力のありようである。であるからして、半蔵の放つ火は、
基本的に火のように見えても火ではない。「気」が凝縮し、人の目に見えるようになった形が半蔵の場合、たま
たま「火」だっただけである。よって触っても火傷はしない。破壊力、または攻撃力を持つのは、半蔵がそれを
求めたときのみである。これはガルフォード達にしても同様である。
◆木行
緑の草木と成長するものの象徴。
司るもの:肉体・髪の毛
感情・笑い
欲望・食欲
方角・東
季節・春
徳 ・仁
聖獣:青竜(鱗あるもの(地上にいるもの)の王)
象徴色:青
その他属するもの:色彩、稲妻、風など。
力としての具現:稲妻使い、風使い、植物使い、色使い、鱗あるものを操る
精神への作用(相手を明るい気持ちにさせる) 等
◆火行
赤い炎(焔)とそのかたまりである太陽、また破壊の象徴。
司るもの:肉体・体を動かすエネルギー(生命力)
感情・怒り
欲望・破壊欲
方角・南
季節・夏
徳 ・礼
聖獣:朱雀(すざく)(翼もつものの王)
象徴色:朱
その他属するもの:光など
力としての具現:炎(焔)使い、熱使い、光使い、翼持つものを操る
肉体への作用(生命力そのものの操作)
精神への作用(相手を激昴させる) 等
◆土行
大地や石、生み出すもの、覆い隠すものの象徴。
土行は全てのはじまりでありおわりであり、全ての中心である。
司るもの:肉体・肉、内臓
感情・恐怖
欲望・睡眠欲
方角・中央
季節・立秋前土用
徳 ・信
聖獣:麒麟(きりん)(人を統べるもの)
※注 土行の聖獣は「黄龍」という説もあるが、ここでは麒麟とする。
象徴色:黄
その他属するもの:灰、養分、食物など
力としての具現:土使い、おいしい料理を作る(笑)、高いカリスマ性
肉体(特に人間)への作用(肉体を痛める)
精神への作用(眠らせる) 等
◆金行
結晶質の固体、金属、強さによって支えるものの象徴。
司るもの:肉体・骨
感情・冷静さ
欲望・権力欲、金銭欲
方角・西
季節・秋
徳 ・義
聖獣:白虎(獣の王)
象徴色:白
その他属するもの:磁力など
力としての具現:結晶(種類様々)使い、金属(種類様々)使い、
磁力使い、獣を操る、
精神への作用(鎮静) 等
◆水行
海や河、とどまることなき流れの象徴。
司るもの:肉体・血液
感情・哀しみ
欲望・性欲
方角・北
季節・冬
徳 ・智
聖獣:玄武(水に生きるものの王)
象徴色:黒
その他属するもの:冷気、雪、闇など
力としての具現:水使い、氷(雪)使い、闇使い、水に生きるものを操る
精神への作用(哀しませる) 等
ちなみに、五行のそれぞれを相生の順に正五角形の頂点に配し、相克の順に線で結ぶと、五角形の中に正五芳星が
描かれる。(相生と相克は逆でも可)。
一 『己の限界を越えた場合』
二 『五気に関わる感情が激しすぎた場合』
一はいうまでもないが、二は、五行の理に基づくがゆえのことである。
一番分かりやすい火の場合だと、余りに激しい怒りを持った場合、力が制御しきれず、火気が暴走してしまう
ことがある、という具合いである。
暴走してしまうと、暴走した気に従う悪影響が現れる。火の場合は一気に生命力が消費されて急速に老化したり、
理性を失い、ただ破壊を続けるだけのものになってしまったりする。他の気でも、このような感じの悪影響が現れる。
私が「五行」の設定を取り入れたのは、「五気」が円をなすからである。
剋しながらも、生み出し、続く流れが気に入った。
ファンタジーでよく言われる「地水火風」は、壊すだけである。生み出さない。続かない。