各キャラのストーリーやEDに散らばっているゴルバについての情報を総合し、ゴルバについて考察してみる。ゴルバの素性レスフィーア王国の王子。鈴姫の父親の弟なので、鈴姫にとっては叔父でもある。クーデターに失敗し、レスフィーア王国を追われた後はアメリカ大陸に渡って独立軍に参加。将校となる。将校なので階級は少尉以上である。 補足:レスフィーア王国とその事情 レスフィーア王国はヨーロッパの小国。 王子一家が航海に出ていることから海に面した国の可能性がある。 ゴルバの抱く危機感から、レスフィーア王国は欧州列強諸国に囲まれ、厳しい状態にあったと思われる。モーントシャイン・ドラッヘ帝国は小国ながらも圧倒的武力で独立を保っていたが、レスフィーア王国にはそれだけの武力もなく、また国の方針が武力政策ではなかったと考えられる。 ゴルバのクーデター以前の国王(おそらくゴルバの父)と鈴姫の父でもあるゴルバの兄の王子がハト派で、ゴルバはタカ派だったのだろう。 この二派は次第に対立を深めていくが、少なくとも兄である王子はゴルバが強攻策に出てもゴルバをかばっていた。それでもゴルバは自分の考えを変えることなく、ついには兄をも殺害してしまう。 ゴルバの目的レスフィーア王国を守るため、真の強兵を供えた新国家の建設。国の象徴に祭り上げるために鈴姫と鈴姫の持つレスフィーア王国の宝剣を狙う。 また、新国家の兵、または将とするために強者の剣士を求めている。 真の目的は新国家を作り上げた後、平和の中で生きる術を持つ者に倒されるつもりだとナコルルは感じている。あくまでもナコルルの意見だが、ゴルバが鈴姫を象徴にすることにこだわることから見ても正解の可能性は高い。 ゴルバの行ったこと1781年以前ゴルバは少なくとも一度はなんらかの強攻策に出たようである。しかしそれは失敗に終わり、処刑も検討されたようであるが、その時には鈴姫の父であるレスフィーアの王子がゴルバをかばっている(鈴姫EDより)。 いつ頃からかはわからないが、ゴルバは自分の目的のための組織(アンジェリカのいた暗殺者組織など)を作っている。 1781年 ゴルバはクーデターを企て、実行に移す。 兄夫婦が(理由は不明であるが東アジア方面へ)航海に出たところを襲撃し、殺害。 レスフィーア王国の宝剣と、兄の次の継承権を持っている(と思われる)兄の娘(鈴姫)を奪おうとするが鈴姫の衛士(クロード)の働きもあり、二つとも海へ消える。 おそらく、宝剣と鈴姫を手に入れられなかったことが原因でゴルバのクーデターは失敗。国を去ることを余儀なくされる。 この時、当時の国王がどうなったかは不明。もっとも国王まで手にかけることができていれば、ゴルバは宝剣や鈴姫無しでも国を掌握していたと思われるので、国王は無事だったのではないだろうか。それでも王子一家と宝剣を失ったレスフィーア王国の弱体化は避けられなかっただろう。 この時のゴルバの行動は第三者からは、ゴルバが王位継承権が低い事を不服に思い、反乱を起こして祖国を追放されたと見られている(十兵衛ED)。 アメリカ大陸にて レスフィーア王国を去ったゴルバはアメリカ大陸に渡り、1775年から続いているアメリカ独立戦争に参加。その実力を持って独立軍の将校となる。 しかし苛烈な性格は改まることはなく、捕虜の扱いにおいてブラック・ホークの父親と対立の末に決闘して勝利、結果、ホークの父親を殺めている(ホークシナリオ)。 アメリカにいる間も、組織の力の拡大や、自分の駒となる者(ドラコなど)を組織に参加させている。 1791年(「サムライスピリッツ閃」の年) レスフィーア王国に新国家を樹立するため、再び行動を起こす。 フランス革命でヨーロッパが混乱にあることと、鈴姫の存在を掴んだことがきっかけになったのではないだろうか? この時にゴルバが取った行動、打った策は以下の通り。 ・メイン 鈴姫と宝剣の確保をアンジェリカらに指示。 ・日本など東アジア方面 ヨーロッパ公演を餌に狂死郎の勧誘(狂死郎の舞で人心掌握の予定?) 幕府の亜米利加使節団の誘拐(使節団を餌に、救出に来る者を勧誘の予定) 鈴姫の衛士だったクロード襲撃の指示(邪魔になる可能性の排除?) 王虎の息子大虎を病にして、その薬を餌に王虎をおびき出す(勧誘予定) 幻十郎を襲撃して実力をはかった上で、勧誘。 ・フランス 革命に揺れるフランスで、王党派の支援をして革命の終結を遅らせる一方、市民軍も支援して革命によるヨーロッパ全土の混乱が長引くことを画策。 フランスに打った策においてはゴルバは自らの死さえも計画に組み込んでいた節がある。シャルロットEDでは、ゴルバの死により支援を失った王党派は空中分解するが、一方で王と民の仲介者だった唯一の貴族も何者かに殺されてしまう。これもまたゴルバの息のかかった者の手によるものであろう。 危機感を募らせた王は密かに亡命を試みるも失敗、民は王に失望(この部分は史実でも同じ)。ヨーロッパ諸国はフランス混乱に乗じて攻め込んでこようとする…… と、ゴルバが死んでもフランスおよびヨーロッパの混乱は収まるどころか増すばかりとなる。 この結果、おそらくレスフィーア王国からヨーロッパ諸国の注意は逸れるはず。また、レスフィーア王国は政策的か国力的か、はたまたその両方でフランスはじめ他国に攻め込むことはないと考えられる。結果、レスフィーアは(一時的だろうが)列強の脅威から逃れることができる。 ・モーントシャイン・ドラッヘ帝国 ヴァルターシナリオで語られたモーントシャイン・ドラッヘ帝国を狙う陰謀の黒幕ももちろんゴルバである。 モーントシャイン・ドラッヘ帝国より傭兵が各地に出ることで、戦果が長引くことを期待した模様。 また、サムスピ世界のヨーロッパ随一の軍事力を持っているであろうモーントシャイン・ドラッヘ帝国は、(ゴルバ視点では)レスフィーア王国の脅威の一つ。なんとか弱体化させたいだろう。 ゴルバについてのまとめゴルバは(自分の思想に基づいて)祖国を守ることがすべてである。そのためにレスフィーア王国に新国家樹立を第一の目的としているが、それがかなわなかった場合も見越してヨーロッパを政治的混乱に落とすことに注力している。 アメリカ独立戦争に参加したのも、ヨーロッパの脅威となりうる国家を作り出すためと考えられる。また、フランス革命時に王党派・市民軍への支援のコネクションを持っていたのも、独立戦争に参加していた成果によると考えられる(独立軍をフランスは支援している)。 あくまでもヨーロッパがメインであるため、ゴルバは日本など東アジア方面にはそれほど注目はしていない。鈴姫と宝剣のことをのぞけば、自分の手駒を求めているだけである。ヨーロッパに向けた手の込んだやり口と異なりぞんざいな(というかとってつけたような)やり口が多いが、ゴルバの目的がレスフィーア王国とヨーロッパにある以上、それもやむを得ないだろう。使節団の誘拐も、強者の勧誘の餌以外に使えたと思うのだがそれをしなかった辺りにゴルバの東アジアへの興味のなさがうかがえる。 個人的には、日本人キャラの多いサムライスピリッツで、ゴルバのような目的を持ったボスを出すのはミスマッチだったとは思う。 |