アースクェイク



公式ストーリー

<ニンジャのギジュツは全て頂いたぜ>
「あーすくぇいく、もっと高く飛べぬのか! そんなことでは忍びになど到底なれぬぞ。がるふぉーど、そなたはもっと早く!」
 甲賀忍びの抜け忍綾女は、樹から樹へと飛び移る二人の弟子に向かって叫んだ。
 遠く、海を越えアジアの小さな島国日本に、子犬を連れた異国の少年が忍者になりたいとやってきたのが一年前。ほどなくして、どこをどう聞き付けたか、身長が3m近い大男アースクェイクが綾女の元に現れ、弟子入りを果たしたのである。(※1)

 忍者たちは閉鎖された社会を築き、仲間が抜けることも拒めば、よそ者が入ることも拒む。その中で、甲賀忍者の綾女は二十余年前、伊賀の忍びと恋に落ち、抜け忍となった。伊賀の服部半蔵の師にあたる伊賀忍者と夫婦となった綾女は、追っ手に見つかる事なく出羽山中で暮らしていたのだが、遠く海を越えてきた少年の熱意に負け、初めて何者にも束縛されない忍者を育てているのであった。
「あーすくぇいく。そなたの巨体を忍びとして有益となすかは、そなた次第じゃ。よいな」
 師はよくアースクェイクに言った。
 アースクェイクはなかなか優秀だった。身体の割にとても身軽だったし、飲み込みも早かった。ただ、どうしても食事の量が少ないらしく、麓の村に降りては「鬼だ」といって、食料を巻き上げた。
「お師匠様、アイツをなんとかしなければ、麓のヴレッジの迷惑だ!」
 正義感の強いガルフォードは師匠に何度も告げた。
 人知れず修行を行っているにも関わらず、忍びが自分のいるところを教えるようなことはもってのほかだ。また、綾女が隠れている意味もない。
 綾女がアースクェイクにきつくたしなめると、アースクェイクはおとなしく言うことに従った。
 アースクェイクがおとなしく従ったのは、彼なりの計算だろうと、誰もが思った。
 実際、アースクェイクは忍びの技術をマスターし、更なる利益を求め強奪を繰り返すためにここにいるのだ。綾女は、アースクェイクに無い技術をたくさん教えてくれる道具にすぎない。
 だが、しかしアースクェイクの腹の虫も限度があった。最初は森へ出て木の実などを採取し、食べていたのだが、あの巨体を維持するためにはそれだけでは到底足りるものではなかった。(※2)

 ある夜、アースクェイクは(彼にとっては)僅かな夕食の後、ガルフォード曰く「最も恥ずべき行為」を行った。
 よりにもよって、パピィの食事を頂戴したのである。
「貴様、パピィの食事を横取りするとは……、恥を知れ!!」
 ガルフォードの憤怒はただならぬものだった。
 もともとガルフォードとパピィ、アースクェイクは折り合いが悪く、いつも喧嘩が絶えなかった。ガルフォードはアースクェイクの悪事が許せず、アースクェイクの邪魔をし、それに腹を立てたアースクェイクはパピィを蹴飛ばす。
 間に入る綾女も苦労が絶えなかった。
 アースクェイクが綾女の元にやって来てから半年が過ぎたころ、アースクェイクは出羽から姿を消した。
「ニンジャのギジュツは全ていただいたぜ。GFFFFっ」
 それがアースクェイクの最後の言葉だった。
 その後も修行を怠らなかったガルフォードは伊賀忍者「服部半蔵」と同じ技術を身につけた。(※3)

 秘宝パレンケストーンを得るために世界を回っていたアースクェイクはガルフォードを始めとするニンジャと出会い、その技術の高さに再び目をつけた。
「GFFFF、あんなテクがあったとはな。あれくらいならすぐにでも真似してやるぜGFFFFっ」(※4)

(※1)あまりにも空腹であったアースクェイクは目の前を歩いていたパピィに食いつき、パピィの悲鳴を聞いた綾女とガルフォードに発見された。
(※2)最初は熊や兎を捕まえて食べていたのだが、一ヵ月も経たないうちに山から熊や兎、狐、はては昆虫までもがいなくなった。
(※3)たしかに匹敵する技術を身につけたが、まだまだ精神面で弱いところがあった。そのため技のキレで半蔵に劣る。
(※4)まさしく見様見真似で技を盗んでしまた。彼の盗賊としての腕は超一流であることを示している。


プロローグ

 宝を盗みつづけるアースクェイクのもとに邪悪な魔物が語りかけてきた。
「我が下僕となり、指示した者を殺すたびに金塊をくれてやろう」
 その声のあと、空からかなりの量の金塊が降ってきた。これを見たアースクェイクは
「いいぜ、1人目を言いな。すぐにブチ殺してくれるぜ」
 そして、ニヤリと笑いながら言葉をつづけた。
「最後はてめぇだぜ。GFFFっ」


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