武者修行のために、全国を放浪する覇王丸。 その彼を、謎の女が執拗に狙うようになる。 心当たりのない覇王丸だったが、いつしか自らの意思とは無関係に、彼女の背後にうごめく暗黒の影の計画に飲み込まれていく。 |
刀銘:名刀 河豚毒 作:不明。しかし茎付近に「南無阿弥陀仏」の彫りあり 作日:1197年(建久七年) 刀剣の分類:彎刀 日本刀の分類:打刀 刀身:2尺5寸 造りこみ:鎬造 説明:庵棟、中峰延び、身幅広く、重ね厚く、反りが浅い。いわゆる剛刀である。刀身の長さ、地金の厚さ、岩のような重さ、どれをとっても尋常ではない。 そこらの男では抜刀することはおろか、持ち上げることすら不可能である。 刀匠のほんの酔狂から作られ、鬼ですら自在に使うことかなわじといわれたこの剛刀は、ゆえに覇王丸の手に渡るまでの長い間、奈良は東大寺にある五重塔に奉納され、誰からも忘れられていた。しかし、たまたま奈良を訪れた覇王丸によって、帯刀されるにおよび、その威力を人々に見せつけはじめる。 はじめは五重塔(わけあって塔に閉じこめられた覇王丸が、祀られていた河豚毒をもちい、建物ごと斬り倒して抜け出した)、のちには山まるまる1つを河豚毒の刃が両断したという話まである。 |