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新居が覇王丸と橘右京と共に酒を飲み交わした日からしばらくして、人々の不安な表情と共に、次のような噂が流れるようになった。 『あの世から舞い戻った怨霊が、世を滅ぼそうとしている』 その噂の真偽は定かではなかったが、実際に世は魔の脅威にさらされ、数々の異変が起きた。魔物が人を襲い、天変地異が続き、人々にできることはただただ祈ることのみであった。 「せんせぇ、これからどうなるんでしょう……」 新居は何度もそう尋ねられたが、首を振ることしかできなかった。 しかしある日、ぱたりと、魔の気が絶えた。 魔物の姿も消え、天も地も穏やかさを取り戻した。 「せんせぇ、何があったんでしょう?」 また何度も尋ねられたが、今度も新居は首を振った。 前とは違い、何処か意味ありげな笑いを含ませて。 |